さて、あなたは、ご自分の財産をだれにで引き継いでもらいたいですか?
人は、たとえお金に困っていなくても、いざ相続が始まると
「自分の取り分はしっかりもらいたい!」
と誰もが思ってしまうのです。
これが、遺産相続の怖いところです・・・。
もし、前妻(夫)との間にお子様がいるのであれば、その子は正式な相続人
となります。
したがって、あなたには、これだけの相続人がいることになります。

あなたには、これだけの人数の相続人がいることになります。
「う~ん、なんとなく争いの予感がしませんか?」
これだけの人数の相続人がいると、遺産相続で争いになるケースがとても
多いのです。
まして、再婚されているのであれば、前妻との子も正式な相続人となるわけ
ですから、家族の中だけの問題ではなくなるのです。
前婚のときの子供たちと後婚の子供や妻とは、他人どうしです。ほとんど顔
を合わせる機会もないのではありませんか?
相続では、仲のよかったご家族でさえも争いになることが多いのですから、
他人どうしともなれば、なおさらのことですよね。
ところで、
相続の取り分は、法律ではどのように決まっているのでしょうか?

法律で決められている取り分のことを「法定相続分」といいます。
ところが、相続の取り分は、相続人同士の話し合いで決めることができます。
相続人の全員が納得すれば、どんな分け方をしてもかまいません。
人には、それぞれ異なる事情があるものです。
経済的に裕福な人もいれば、そうでない人もいます。

「遺産を平等に分けるとは、どんな分け方だと思いますか?」
たとえば、
あなたの財産を3人の子供で分けるとします。
3人のうち1人は、病気を抱えています。
こんなとき、遺産を平等に分けるとは、次のうちどちらだと思いますか?
① 3人がまったく同じ割合で等しくわける。
数字の上では、平等かもしれませんね。でも、本当に平等だと思います か?
② 病気という事情を考慮して、治療費などを上乗せしてわける。
人によっては、平等ではないと言うかもしれません。
さて、どちらの分けかたが、平等でしょうか。
もし、あなたが②のように分けて欲しいと思っていても、実際に相続のときになると、
なかなか思うとおりにはいきません。
みんなが自分の取り分を主張しはじめるのです!
こんな時に、あなたが「遺言」を残していたらどうでしょう。
遺言があると、相続人は、遺言に従って遺産を分けなければいけません。
あなたの思ったとおりに財産が引き継がれるのです。
ただし、ここで一つ注意しなければなりません!
◆ 遺言を残すときは、遺留分に注意!
遺言と遺留分
もし、あなたが今のご家族にできるだけ多くの財産を引き継いでもらいたいと
思っているのであれば、遺言によって、すべての財産を今のご家族に相続さ
せるという内容の遺言を残すことも可能です。
しかし、前の配偶者との子供たちには、遺留分という権利があります。
( → 遺留分 )
遺留分減殺請求をすることにより、子供は最低限の取り分をもらうことができます。
ここで、前の配偶者との子たちが、遺留分を主張してくると取り分はどうなるので
しょうか。

遺産が不動産だけのような場合には、遺留分に応じた金額を支払えるだけの現金を
準備しておくなどの対策が必要となります。
生前からの相続対策には、遺言だけでなく生前贈与なども利用した対策が考えら
ます。
また、節税対策として生命保険の活用や養子縁組、贈与の方法などがありますの
ので、専門家を交えて対策を考えるのが望ましいでしょう。
◆ 子供がいる人と結婚した人のお話し ◆
「住むところが無くなるなんて、思いもしなかった!」
太郎さん(仮名)には、前妻との間に子供が1人います。
離婚したときに前妻が引き取り、それ以来会っていませんでした。
太郎さんは離婚後、花子さん(仮名)に出会い再婚しました。
そして現在、花子さんとの間に子供が1人います。
ある日の夜、太郎さんは交通事故で突然亡くなってしまいました。
それから1年後、花子さんのもとに1人の女性がたずねてきました。
太郎さんの前妻との子供です!
太郎さんは、離婚後30年近く会っていないはずです。
花子さんは、お葬式のときに連絡を取ろうとしましたが、連絡先が
わかりませんでした。そのことを女性に話して謝りました。
しかし、女性はこう言いました。
「私にも父の財産をもらう権利があります!」
その言葉に花子さんは驚きました。
離婚して前妻が引き取った子供にも、財産を相続する権利が
あることを知らなかったのです。
後日、花子さんの子供も交えて話し合いが行われました。
太郎さんの財産は、次のとおりです。
家と土地 2,600万円
預貯金 400万円
合計で3,000万円となります。
法律で決められた相続分で計算すると、
子供の取り分は、1人あたり750万円となります。
前妻の子は、強い口調でこう言いました。
「父は、あなたと結婚してから養育費を払わなくなりました。
おかげで母がどれだけ苦労したことか。
「相続分は一切譲れません!」
花子さんには現金が400万円しかありません。
今の花子さんに750万円を支払うことは、とてもできません。
困惑している花子さんに前妻の子は続けます。
「借金してでも、自宅を売ってでもお金は作れますよ。」
その後、何度か話し合いが行われましたが、前妻の子は
取り分の金額を下げることに応じてくれませんでした。
最終的に、花子さんは預金を使わずに自宅を売って支払うことに
しました。
運良くすぐに買い手が見つかり、3ヵ月後に花子さんの家は売却
されることになりました。
「相続で住むところが無くなるなんて、思いもしなかったわ。」
引越し当日、花子さんは自宅を前に、ため息をつきました・・・。
もし、太郎さんが生前に相続対策をしていたら?
もちろん花子さんは、自宅を失うことはなかったでしょう。